昔し「インド人もビックリ!」という和製カレーのコマーシャルがあった。
が、今も昔もこれが生きているそうな?中華の国に餃子の店を出したり、インドに日本風のカレーを出すと意外と売れたり、世の中は不思議なものだ。
例の「ボンカレー」は料理教室で学んだ人が作るレベルだとか。しかも、何年か学んだ人が作れるものだとか。これがレトルトで生きた!例えば大塚のボンカレーは、オロナミンC、普及に時間が掛かったOS-1,ポカリスエット、原料を変えることで原価が劇的に下がった液状のカロリーメイト。多くの商品は廃れていくが、オロナミンC は健康食品ではなく、只の飲料、これのみで年間売り上げが驚くことに最盛期は¥1500億。局外のチオビタに関しては、内容はリポビタンDと薬効成分の一部が異なるだけ。
さて私の知り合いに、バングラデッシュのお方が居た、名前はモンジュ、文殊菩薩そのものの名前。かの地には「飛鳥、アスカ」の名前すらある。その彼が私にカレーの作り方を伝授してくれた。お礼に、私のカメラをあげたと言うか、勝手に持って行った。これは私が了解しているので、何も問題はない。
本人はビザは無いので、当然オーバーステイ、それでも自由に入管に出入りをし、知人友人の帰国を手助けしていた。
その彼のレシピはまだ私の中に生きている。まずカレーの香辛料は、コリアンダーが二部、クミンとチリが各一部、これがメイン。後はターメリック、カルダモン、カッシア(ニッキ)を適量、あとはローレル、ヨーグルト、ギィー(牛脂から取ったバター様のもの)、適量の塩等々。香辛料を加えると焦げ易くなるので要注意!ローレルは仕上げ時直前に投入し、これは香り付け。野菜は通常は入れない、トマトは量が厳密で、入れすぎると酸っぱくなるとか。他の香辛料は適宜様子を見ながら入れる。
まずは、玉ねぎを薄く切り、ニンニク、ショウガ、を充分に炒めこれに肉、鶏肉か牛肉、当然イスラームなので豚肉は使わない。牛肉は、お祈りを捧げ手順通りに屠殺した肉のみ、牛肉なら何でも良いわけではない。かなり濃厚な味になるがこれがバングラデッシュ流だとか。他の国はグリーンカルダモンをメインにしたり、ココナッツミルクも加えるとか。最終的な味は塩味で調整し、整える。
こんなカレーを私は何回かの修行の後、作れるようになった。
その彼が、時々帰国後も私たちの「外国人のための日本語学校」に顔を出していた。
職業は貿易業者の職員、例の「文殊」のハンコを持って工業製品の輸出に活躍しているらしい。が、最近は全く来ない、どうも持病があったらしく、当然平均寿命は日本より低い、多分もう亡くなっているのでは?と思う事がある。しかし、英国風のスーツの着こなしは素晴らしかった、何回かメールは送ったが返事はない、もう生きてはいないのかも。